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月待者

「日本といふ物語」より      



   



           エピローグ


  

 

万葉集 巻第一  柿本朝臣人麻呂

東の 野にかぎろひの 立つ見えて 
         かへり見すれば 月傾きぬ

 

 

 

万葉集 巻第三  柿本朝臣人麻呂
 
ひさかたの 天行く月を 網に刺し 

          我が大君は 蓋にせり

 

 

 

   万葉集 巻第四 相聞

  朝日影 にほへる山に 照る月の

 
            飽かざる君を 山越に置きて

 

 

 

万葉集 巻第四 相聞  湯原王

月読の 光に来ませ あしひきの 

       山をへだてて 遠からなくに


 

 

新古今和歌集 巻第一 

夕月夜 しほみちくらし 難波江の 

         蘆の若葉に こゆる白波


 

山家集  八月十五夜

秋はただ 今夜一夜の 名なりけり 

        同じ雲居に 月はすめども


 


月の夜賀茂にまゐりてよみ侍りける 西行

月のすむ みおやがはらに 霜さえて 

      千鳥とほたつ 聲きこゆなり


 

 

 西行

月のゆく 山に心をゝ くりいれて  

  やみなるあとの 身をいかにせん

 

 

 

月前女郎花 西行

庭さゆる 月なりけりな をみなへし 

      霜にあひぬる 花と見たれば


 


月枯れたる草を照らす  西行

花におく 露にやどりし 影よりも  

   枯野の月は あはれなりけり




月の歌あまたよみけるに

行方なく 月に心の 澄み澄みて 

   果てはいかにか ならむとすらむ

        

 

         



 

 

 

    

         

 

 

 

         


                    

          


         
        六六一年 伊予熟田津

 

           

       



 熟田津尓 船乗世武登 月待者 

   潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜

 

 

 

 

 

 

                                

          

                  

                     

     

    

  


         
      

        

                                 


 



           美学研究所 歌座(うたくら) 
           平成二十年八月十五日

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